台風接近に際、改めて、今年の大雨の時の浸水箇所と地形図を見比べてみた。
なかなか町中を歩いているだけでは気付かない傾斜もあるが、地図上では、やはり水がついたところが低くなっているのがよく分かった。
この町は地形的に、北が高く南が低いが、東西の高さは意識していないことが多い。また、北から南へも均一に低くなるのではなく、南に行くほど傾斜が緩やかになるのが一般的な傾向とはいえ、そうでないところもあり、排水溝などが機能不全を起こした場合、水がたまりやすい場所がある程度分かった。

ただ、こうした微妙な傾斜については、ほとんど地価には反映されていない。

広報に携わるようになったとき、カメラと扱うこととなった。
そして、ファインダー越しに見る世界は、裸眼(眼鏡を含む)で見る世界とは異なることを知った。
これまで見えていなかったものが見えてきたのだ。

例えば、電線。

景観にうるさいまちに暮らしているが、正直、電線をうるさい、と感じたことはあまりなかった。ところが、写真に収めようとすると、どうにも邪魔になる。
同時に、電線を無視する眼の機能のすばらしさにも気付いた。

結果、電線を意識することも無視することもできるようになった訳である。

この手の自在さ、というのは結構便利で、また、大切なスキルだと思うのだが、人にどうやって伝授(おこがましいが)すればいいのかよく分からない。

「ちょうちょ結びのやり方を言葉だけで説明する」
ということが私にはうまくできない。

私の言語能力が不十分のせいか、日本語の機能が足りないせいか、原因は不明。

これまで、数人に聞いてみたが、上手にできた人はいなかったので、私の無能が原因ではないかもしれないが、サンプルが少ないのでなんともいえない。

アイディアとしては、ひもの結び方を説明するのに特化した言語及びその日本語対訳を作るというアプローチを考えている。

その言語における語彙の作成方法として、
ひもの位置や形状を表す単語をいくつかつくる。
結びを行う手の動きを表す単語をいくつかつくる。
どちらが優れているだろう?

とここまで書いて、ちょうちょ結びのできるマニピュレータのプログラムは、最初の命題をクリアしていることに気づいた。